日本皮膚科学会誌 2019 年 129 巻 2 号 p. 157-160
好酸球増多の定義と分類
好酸球数による分類
好酸球数(/μL) | 350-500 | 500-1500/μL | 1500-5000 | 5000- |
程度 | 正常 | mild | moderate | marked |
分類 | 末梢好酸球増多 | |||
4w以上2回1500以上を維持で好酸球増多症 さらに,組織中好酸球増多による臓器傷害・機能障害を有するものを好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome:HES) |
発症期間による分類
一過性 | 発作性 | 持続 |
transient | episodic | persistent or chronic |
episodic angioedema with eosinophilia
- 好酸球増多を伴って繰り返す血管浮腫,体重増加,蕁麻疹,発熱
- HESとは異なり内蔵臓器は侵されない.
- 皮膚生検では,真皮に好酸球浸潤
- Gleich症候群
Non-episodic angioedema with eosinophilia
- 日本での,angioedema with eosinophiliaは一過性のことが多く,Non-episodic angioedema with eosinophiliaとして扱われる.
- 若年女性に多い
- 浮腫は四肢に限局
- 血清IgMの上昇はない.
- 低用量ステロイド内服ないし,自然軽快
- 90%の症例が夏から秋に発症.
- インフルエンザウイルス注射後や,マイコプラズマ感染症後,舌下免疫療法後に発症した例もある.
- ゴムまり様の浮腫で指圧痕を残さないのが特徴(non-pitting edema)
- 浮腫とともに体重は増加するがepisodic angioedema with eosinophiliaより軽度.
- 発熱は37℃台程度で高熱に至らないことが多い.
- 関節痛や多発血栓,自己免疫性溶血性貧血,甲状腺機能亢進症を併発した例も報告されている.
- 病理は,真皮から皮下脂肪組織にかけて浮腫があり,膠原線維間や葉間に好酸球が浸潤し,血管周囲のリンパ球浸潤も伴う
- 好酸球増多に関わるIL-5が上昇
- IL-13,9,10, TNF-α, TARC, Eotaxin-3,VEGFが上昇する報告がある.
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