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- 選択問題
- 問題 21.TARC(thymus and activation-regulatedchemokine)が高値となる疾患はどれか.3 つ選べ.
- 問題 22.硬化性萎縮性苔癬について正しいのはどれか.3 つ選べ.
- 問題 23.再発性単純疱疹に対するファムビルⓇの oneday treatment について誤っているのはどれか.
- 問題 24.次の中で,RNA ウイルスによって生じる疾患はどれか.2 つ選べ.
- 問題 25.32 歳の女性.10 年以上前から,年に 3~5回,左膝蓋に軽度の痛みとかゆみを伴う水疱,丘疹の集簇病変が出現するのに気づき,症状が出現した時に撮った写真(図 9)を持参して受診した.受診時には皮疹はなかった.以下は指導医と研修医の会話である.
- 問題 26.ステロイド内服前の B 型肝炎のスクリーニングで HBs 抗原陰性・HBs 抗体陽性・HBc 抗体陽性であった.de novo B 型肝炎の発症予防のためにまず行うべき検査はどれか.
- 問題 27.アトピー性皮膚炎に対しデュピルマブ投与中の患者がワクチン接種を希望した.デュピルマブの休薬が必要なワクチンはどれか.2 つ選べ.
- 問題 28.ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)と関連する疾患で,正しい組み合わせはどれか.
- 問題 29.45 歳,主婦の女性.数週前から左第 3 指間に皮疹が出現.白色に浸軟し,一部に膜様鱗屑を付着している.検鏡で真菌陽性.有効と考えられる外用剤はどれか.3 つ選べ.
- 問題 30.爪白癬治療薬のうちアリルアミン系抗真菌薬はどれか.
- 問題 31.慢性皮膚粘膜カンジダ症を発症する遺伝子異常はどれか.
- 問題 32.63 歳の男性.コントロール不良の糖尿病がある.2 日前から右下肢の熱感・腫脹・疼痛があり来院した(図 10).体温 39.2℃,血圧 78/40 mmHg,WBC 22,000/μl,CRP 31.0 mg/dl.施行すべき検査で優先順位が低いのはどれか.
- 問題 33.Hansen 病について正しいのはどれか.
- 問題 34.疥癬の治療について誤っているのはどれか.
- 問題 35.重症熱性血小板減少症候群について正しいのはどれか.2 つ選べ.
- 問題 36.HIV 患者にみられやすい皮膚疾患について誤っているのはどれか.
- 問題 37.Behçet 病の患者で保有頻度が高いことが知られている HLA アレルはどれか.2 つ選べ.
- 問題 38.30 代の男性.図 11a の皮膚症状が四肢に多発性に出現したため受診した.全身症状はなく,検査異常もみられなかった.病理組織像では図 11b,11c の所見がみられた.外用治療が無効の場合に次に行う適切な治療法はどれか.
- 問題 39.皮膚外科手術において正しいのはどれか.
- 問題 40.図 12a に示す腫瘍●をマージンを取って切除し,図 12b のような菱形皮弁による再建を計画している.縫合完成時の縫合線で正しいのはどれか.
選択問題
問題 21.TARC(thymus and activation-regulatedchemokine)が高値となる疾患はどれか.3 つ選べ.
1. 菌状息肉症
2. 丘疹紅皮症(太藤)
3. 毛孔性紅色粃糠疹
4. 中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrolysis)
5. 薬剤性過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome)
1.2.5
他水疱性類天疱瘡でも高値となる.
- ○ あた471 抗CCR4抗体が有用なことから類推する.
- ○ あた149 高齢男性に好発する原因不明の疾患.そう痒を伴う充実性丘疹が多発,癒合して紅皮症を呈する.鱗屑などの湿疹性変化が乏しい.腹部や臍窩などの皺の部分には皮疹が形成されないDeck-chair signが特徴.ときに内蔵悪性腫瘍や悪性リンパ腫を合併する.
- ✕ あた289
- ✕ あた155
- ○ あた158 DIHSとSJS/TENとの鑑別にTARC値が有用
問題 22.硬化性萎縮性苔癬について正しいのはどれか.3 つ選べ.
1. 男児では包茎を呈することが多い.
2. 女児では出血が目立つことが多い.
3. 成人男性の好発部位は陰囊である.
4. 成人女性では肛門周囲の病変はまれである.
5. 女性の外陰部では発症時期に,初経前と閉経後の 2 つのピークがある.
1.2.5
- ○
- ○
- ✕ 男性は陰茎が好発部位.
- ✕ 大陰唇や陰茎,肛門部に好発
- ○ 中年以降ないし10歳以下の2つのピークがある.
硬化性萎縮性苔癬 あた339
- 直径2-3mmの白色扁平丘疹が出現し,集簇して硬い白色局面を生じる
- のちに白色局面は萎縮し羊皮状となる.
- 面疱様の角栓を伴うことが特徴的
- 1:5-15で女性に多い.
- 中年以降ないし10歳以下の2つのピークがある.
- 女性は大陰唇や陰茎,肛門部に好発.
- 男性は陰茎に好発
- 円形脱毛症や尋常性白斑を合併することがある.
- 病理は表皮萎縮と液状変性,表皮突起の消失,真皮上層では膠原線維が均質化,浮腫状となり細胞成分が減少.
- 小児ではステロイド外用に反応し,自然消退することもある.
- 成人では難治例が多い
- 外陰部では数%の症例で有棘細胞癌を生じる.
問題 23.再発性単純疱疹に対するファムビルⓇの oneday treatment について誤っているのはどれか.
1. 性器ヘルペスは適応外である.
2. 1 回 1,000 mg を 2 回内服する.
3. 再発の初期症状を正確に判断可能な患者が適応となる.
4. 同じ病型の再発頻度が年間 3 回以上の患者が適応となる.
5. 初期症状発現から 6 時間以内に服用可能な場合のみ治療を開始できる.
1
ファムビル PIT patient initiated therapy
- 1000mgを1日2回内服
- 単純疱疹(口唇へルペスまたは性器ヘルペス)の同じ型の再発を繰り返す患者
- 年間概ね3回以上繰り返す患者.
- 初期発症から6時間以上経過した場合の有用性のデータはない
問題 24.次の中で,RNA ウイルスによって生じる疾患はどれか.2 つ選べ.
1. 水痘
2. 手足口病
3. 尋常性疣贅
4. COVID-19
5. 伝染性軟属腫
2.4
- ヘルペスウィルスはDNAウィルス
- あた506 コックサッキーウィルスA6,16,10, エンテロウイルス71型 両者ともRNAウィルス
- あた494 ヒトパピローマウィルスはDNAウィルス
- RNAウィルス
- あた498 ポックスウィルスに属する伝染性軟属腫ウィルス DNAウィルス
他,HIV,ムンプス,インフルエンザ,麻疹,風疹,日本脳炎,A型肝炎,C型肝炎,レトロウィルス,成人T細胞白血病ウィルスなどがRNAウィルス
HHVの種類
HHV1 | HSV-1 | 口唇ヘルペス,ヘルペス性歯肉口内炎,Kaposi水痘様発疹,ヘルペス性瘭疽 |
HHV2 | HSV-2 | 性器ヘルペス(HSV-1も増加) |
HHV3 | VZV | 水痘,帯状疱疹 |
HHV4 | EBV | 節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(あた476),種痘様水疱症様リンパ増殖症(あた476),蚊刺過敏症(あた562),Gianotti-Crosti症候群(あた505),伝染性単核球症(あた507),口腔毛状白板症(あた452)(DIHS あた158) |
HHV5 | CMV | Gianotti-Crosti症候群,(DIHS あた158) |
HHV6 | HHV6 | 突発性発疹,DIHS(あた158),Gibertばら色粃糠疹(あた295) |
HHV7 | HHV7 | 突発性発疹,(DIHS),Gibertばら色粃糠疹(あた295) |
HHV8 | HHV8 | Kaposi肉腫(あた464) |
HPV
HPVの型 | 臨床症状 |
1 | ミルメシア |
2,4,7,27,57 | 尋常性疣贅 |
3,10,28,29,94 | 扁平疣贅 |
16 | Bowen様丘疹症,爪Bowen病 |
5,8 | 疣贅状表皮発育異常症 |
57,60 | 足底類表皮嚢腫 |
6,11 | 尖圭コンジローマ |
16,18,31,33-35,39,40,51-59 | 子宮頸癌 |
2価ワクチン 16,18
4価ワクチン 2価+6,11
9価ワクチン 4価+31,33,45,52,58
問題 25.32 歳の女性.10 年以上前から,年に 3~5回,左膝蓋に軽度の痛みとかゆみを伴う水疱,丘疹の集簇病変が出現するのに気づき,症状が出現した時に撮った写真(図 9)を持参して受診した.受診時には皮疹はなかった.以下は指導医と研修医の会話である.
指導医:単純ヘルペス感染症が疑われるが,典型的でないのは何かな.
研修医 1:ひざは好発部位ではないので,出現部位は非典型的です.
指導医:発疹がないけれども,診断はどうすればよいかな.
研修医 2:血清中和抗体価を測定して診断します.
研修医 3:中和抗体の測定ではなく,発症時と治癒してから2回IgGとIgMを測定して診断します.
指導医:今度,症状が出現したらどうすればよいかな.
研修医 4:症状が現れたらすぐに受診していただいて,プライムチェック HSV が保険収載されているので,発疹部から抗原を検出します.
指導医:単純ヘルペス感染症だと,この患者さんの治療はどうすればいいかな.
研修医 5:たびたび膝に再発し患者さんの QOL が低下しているので,保険適用になっているバルトレックス 500 mg/日の連日経口投与を行います.
正しい発言をした研修医の数は何人か.
1. 0 人
2. 1 人
3. 2 人
4. 3 人
5. 4 人
3
- 好発部位は口唇や陰部,手指であるので○
- ✕ 再発をくり返しているので,ペア血清が必要
- ○
- ✕ プライムチェックHSVは性器ヘルペスに保険収載
- ✕ 性器ヘルペスの再発抑制にはバルトレックスの500mg/日の投与が保険収載されている.
マルホ皮膚科セミナー「ウィルス感染症診断に必要な検査とその読み方」参照
問題 26.ステロイド内服前の B 型肝炎のスクリーニングで HBs 抗原陰性・HBs 抗体陽性・HBc 抗体陽性であった.de novo B 型肝炎の発症予防のためにまず行うべき検査はどれか.
1. HBe 抗原
2. HBe 抗体
3. HBV DNA 定量
4. 腹部エコー
5. 腹部 CT
3
免疫抑制・化学療法により発症する B 型肝炎対策ガイドライン参照
問題 27.アトピー性皮膚炎に対しデュピルマブ投与中の患者がワクチン接種を希望した.デュピルマブの休薬が必要なワクチンはどれか.2 つ選べ.
1. 黄熱ワクチン
2. 風疹ワクチン
3. A 型肝炎ワクチン
4. B 型肝炎ワクチン
5. インフルエンザワクチン
1.2
生ワクチンの接種は休薬が必要.
麻疹,風疹,ムンプス,水痘,BCGなど
A型肝炎ワクチン,B型肝炎ワクチン,インフルエンザワクチンは不活化ワクチン
生ワクチン | 麻疹,風疹,ムンプス,水痘,BCG,ロタ,黄熱 |
不活化ワクチン | A型肝炎,B型肝炎,インフルエンザ,ヒブ,肺炎球菌,日本脳炎,HPV,髄膜炎菌,コレラ,四種混合(ジフテリア,百日咳,破傷風,ポリオ),三種混合(ジフテリア,百日咳,破傷風),二種混合(ジフテリア,破傷風),ダニ媒介脳炎,狂犬病, |
両方存在 | コレラ,腸チフス |
mRNAワクチン | 新型コロナウイルス |
問題 28.ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)と関連する疾患で,正しい組み合わせはどれか.
1. HPV1 ――――扁平疣贅
2. HPV3 ――――ミルメシア
3. HPV5 ――――疣贅状表皮発育異常症
4. HPV16 ――――足底類表皮囊腫
5. HPV60 ――――爪 Bowen 病
3
- HPV1はミルメシア
- HPV3は扁平疣贅
- HPV5.8は疣贅状表皮発育異常症 ○
- HPV16はBowen様丘疹症
- HPV60は足底類表皮嚢腫
HPV
HPVの型 | 臨床症状 |
1 | ミルメシア |
2,4,7,27,57 | 尋常性疣贅 |
3,10,28,29,94 | 扁平疣贅 |
16 | Bowen様丘疹症,爪Bowen病 |
5,8 | 疣贅状表皮発育異常症 |
57,60 | 足底類表皮嚢腫 |
6,11 | 尖圭コンジローマ |
16,18,31,33-35,39,40,51-59 | 子宮頸癌 |
問題 29.45 歳,主婦の女性.数週前から左第 3 指間に皮疹が出現.白色に浸軟し,一部に膜様鱗屑を付着している.検鏡で真菌陽性.有効と考えられる外用剤はどれか.3 つ選べ.
1. ルリコンⓇクリーム
2. アトラントⓇクリーム
3. ゼフナートⓇクリーム
4. ニゾラールⓇクリーム
5. メンタックスⓇクリーム
1.2.4
皮膚カンジダ
ベンジルアミンのメンタックス,ボレー,チオカルバミン酸のゼフナートはカンジダに適応なし.
本邦で白癬に使用される抗真菌外用薬の系統と一般名および代表的な商品名
イミダゾール | ケトコナゾール | ニゾラール ® |
ネチコナゾール塩酸塩 | アトラント ® | |
ビホナゾール | マイコスポール ® | |
ラノコナゾール | アスタット ® | |
ルリコナゾール | ルリコン ® | |
モルホリン | アモロルフィン塩酸塩 | ペキロン ® |
アリルアミン | テルビナフィン塩酸塩 | ラミシール ® |
ベンジルアミン | ブテナフィン塩酸塩 | メンタックス ®,ボレー ® |
チオカルバミン酸 | リラナフタート | ゼフナート ® |
青字はカンジダと共通
本邦で皮膚カンジダ症に使用される抗真菌外用薬の系統と一般名および代表的な商品名
イミダゾール | ケトコナゾール | ニゾラール ® |
ネチコナゾール塩酸塩 | アトラント ® | |
ビホナゾール | マイコスポール ® | |
ラノコナゾール | アスタット ® | |
ルリコナゾール | ルリコン ® | |
イソコナゾール | アデスタン ® | |
クロトリマゾール | エンペシド ® | |
ミコナゾール | フロリード D® | |
モルホリン | アモロルフィン塩酸塩 | ペキロン ® |
アリルアミン | テルビナフィン塩酸塩 | ラミシール ® |
青字は白癬と共通
問題 30.爪白癬治療薬のうちアリルアミン系抗真菌薬はどれか.
1. ネイリンⓇ
2. ラミシールⓇ
3. イトリゾールⓇ
4. ルコナックⓇ爪外用液
5. クレナフィンⓇ爪外用液
2
トリアゾール | ホスラブコナゾール | ネイリン® |
イトラコナゾール | イトリゾールⓇ | |
エフィコナゾール | クレナフィンⓇ爪外用液 | |
アリルアミン | テルビナフィン塩酸塩 | ラミシールⓇ |
イミダゾール | ルコナゾール | ルコナックⓇ爪外用液 |
問題 31.慢性皮膚粘膜カンジダ症を発症する遺伝子異常はどれか.
1. IL12A
2. IL17F
3. IL22
4. IL23
5. TNF
2
バイオ製剤でIL-17製剤はカンジダを合併しやすいことから類推する.
問題 32.63 歳の男性.コントロール不良の糖尿病がある.2 日前から右下肢の熱感・腫脹・疼痛があり来院した(図 10).体温 39.2℃,血圧 78/40 mmHg,WBC 22,000/μl,CRP 31.0 mg/dl.施行すべき検査で優先順位が低いのはどれか.
1. 試験切開
2. 血液培養
3. 創部培養
4. 下肢から胸腹部までの単純 CT
5. CT アンギオによる下肢血流評価
5
壊死性筋膜炎 あた527
問題 33.Hansen 病について正しいのはどれか.
1. Hansen 病の代表的な菌種は M. chelonae である.
2. 本邦では毎年 100 名程度の新規発症患者がいる.
3. 確定診断は皮膚病巣部からのらい菌の培養により行う.
4. WHO 病型分類の少菌型の場合セフェム系抗生剤が有効である.
5. 2 型らい反応(らい性結節性紅斑)にはサリドマイドが保険適用となっている.
5
ハンセン病 あた553 ハンセン病参照
- ✕ らい菌(Mycobacterium leprae)による感染症.
- ✕ 日本では終焉.年間患者数は,日本人は数人,在日外国人は4人程度.
- ✕ らい菌は人工培養できない.
- ✕ 治療は多剤併用療法
- ○
問題 34.疥癬の治療について誤っているのはどれか.
1. クロタミトンは保険適用外である.
2. フェノトリンを 2 回外用する場合,1 週後に外用する.
3. フェノトリンは神経細胞の Na+チャネルに主に作用する.
4. イベルメクチンを 2 回投与する場合,1 週後に投与する.
5. イベルメクチンは神経細胞の Na+チャネルに主に作用する.
5
- ○ 保険適応外であるが,「原則としてクロタミトンを疥癬に処方した場合,当該使用事例を審査上認める.」となっている.
- ○ 通常,1週間隔で,1回1本(30g)を頸部以下(頸部から足底まで)の皮膚に塗布し、塗布後12時間以上経過した後に入浴、シャワー等で洗浄、除去する.
- ○
- ○
- ✕ イベルメクチンは,無脊椎動物の神経・筋細胞に存在するグルタミン酸作動性 Cl-チャンネルに選択的かつ高い親和性を持って結合する.これにより,Cl-に対する細胞膜の透過性が上昇して神経または筋細胞の過分極が生じ,その結果,寄生虫が麻痺を起こし,死に至る.
問題 35.重症熱性血小板減少症候群について正しいのはどれか.2 つ選べ.
1. 感染マダニが媒介する.
2. リケッチア感染症である.
3. 韓国で初めて報告された.
4. 胃腸症状が出現しやすい.
5. 皮疹は日本紅斑熱に類似する.
1.4
新・皮膚科セミナリウム ダニ媒介性感染症 2019 年 129 巻 12 号 p. 2493-2501より出題
- ○
- ✕ フェニュイウイルス科バンヤンウイルス属フアイヤンシャンバンヤンウイルス
- ✕ 2009年に中国で発見された.
- ○
- ✕ SFTSは皮疹は出現しないが,日本紅斑熱との鑑別が重要.SFTSはCRPが上がりにくい.
問題 36.HIV 患者にみられやすい皮膚疾患について誤っているのはどれか.
1. 薬疹
2. 掌蹠膿疱症
3. 瘙痒性丘疹
4. 脂漏性皮膚炎
5. 好酸球性膿疱性毛包炎
2
新・皮膚科セミナリウム梅毒とHIV/AIDS 2017 年 127 巻 7 号 p. 1523-1531より出題
HIV/AIDS に伴う皮膚症状 | ||
急性HIV感染症 | ||
皮膚粘膜感染症 | ウィルス感染症 | 単純疱疹,帯状疱疹,伝染性軟属腫,尖圭コンジローマなど |
細菌感染症 | 毛囊炎,せつ腫症,膿瘍,梅毒など | |
真菌感染症 | 口腔内カンジダ,白癬,マラセチア関連皮膚疾患など | |
腫瘍性病変 | Kaposi 肉腫,悪性リンパ腫,肛門部扁平上皮癌など | |
その他 | 好酸球性膿疱性毛囊炎,瘙痒性丘疹,薬疹,尋常性乾癬,色素沈着,光線過敏性皮膚炎,血管炎,環状肉芽腫,乾皮症,赤痢アメーバによる肛囲潰瘍,疥癬,脂漏性皮膚炎など |
問題 37.Behçet 病の患者で保有頻度が高いことが知られている HLA アレルはどれか.2 つ選べ.
1. HLA-A26
2. HLA-B27
3. HLA-B51
4. HLA-B52
5. HLA-Cw6
1.3
あた174
HLA-B13 | 尋常性乾癬 |
HLA-B27 | 強直性脊椎炎 |
HLA-B51,HLA-A26 | ベーチェット病 |
HLA-B52 | 高安病 |
HLA-Cw6 | 尋常性乾癬 |
HLA-DR4 | 関節リウマチ、1 型糖尿病、インスリン自己抗体症候群 |
HLA-DR15 | SLE、特発性腎症、潰瘍性大腸炎、ハンセン病 |
HLA-DR53 | 橋本病 |
問題 38.30 代の男性.図 11a の皮膚症状が四肢に多発性に出現したため受診した.全身症状はなく,検査異常もみられなかった.病理組織像では図 11b,11c の所見がみられた.外用治療が無効の場合に次に行う適切な治療法はどれか.
1. NSAIDs 内服
2. 免疫抑制薬内服
3. 抗マラリア薬内服
4. 生物学的製剤投与
5. セフェム系抗生剤内服
3
円板状エリテマトーデス あた196 みき先生とゆう子先生の皮膚病理診断ABC ④炎症性病変70
- 境界明瞭で落屑や毛孔拡大を伴う類円形の紅色局面が単発ないし多発する.
- 露光部や粘膜に好発.
- 頭部に生じると不可逆性の瘢痕性脱毛になる.
- 頚部より下にDLEが多発するものを汎発型円板状エリテマトーデスという.
- 検査所見は正常 SLEに移行する場合がある.
- 日光遮断,ステロイド外用,タクロリムス外用,ヒドロキシクロロキン内服.
- 慢性に繰り返すことでSCCを生じるので注意.
- 病理は
①毛孔角栓形成
②表皮萎縮
③液状変性と基底層に肥厚
④付属器および血管周囲に島状の密な単核球浸潤
⑤真皮のムチン沈着
⑥部分的な顆粒層の肥厚
問題 39.皮膚外科手術において正しいのはどれか.
1. 頭頂部の手術では帽状腱膜上で容易に剥離できる.
2. 眼瞼の横幅の 1/2 以下の全層欠損は単純縫縮する.
3. 頭部腫瘍の切除線は毛流に垂直になるように作図する.
4. 手指の伝達麻酔では 0.5% E 入りキシロカインを用いる.
5. 頭部腫瘍の切除時の oozing bleeding は可能な限り電気メスで焼灼する.
3
- ✕ 帽状腱膜下で容易に剥離できる.血腫もここに起こりやすい.
- ✕ 1/4以下であれば正解.
- ○ 毛流と垂直に切開線をいれると,上から頭髪が覆いかぶさるので傷が目立ちにくい.
- ✕ 伝達麻酔は,麻酔導入部位に止血作用を持たす必要がないのと,血管収縮の虚血により指先が壊死するのを防ぐためにE無しキシロカイン
- 血管が太いので結紮止血.
皮膚外科基本テキスト90参照
剥離層
顔面 | 脂肪層中間層で剥離 |
頭皮 | 帽状腱膜下で剥離 |
体幹・四肢 | 皮下表在あるいは深在筋膜上で剥離 |
問題 40.図 12a に示す腫瘍●をマージンを取って切除し,図 12b のような菱形皮弁による再建を計画している.縫合完成時の縫合線で正しいのはどれか.
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤
2
Rhomboid flap
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